スポンサーリンク

埼玉県 秩父へハーレーツーリング

第一章 はじまりはいつもエンジンをかけるところから

🏍 言葉を話す不思議なハーレーと行く、秩父への旅 🏍

「さて、今日はどこへ行こうか?」

エンジンの鼓動がゆっくりと体に伝わる。いつも通り、目的地は決めていない。だけど、今日はなんとなく西へ向かう気分だった。

「……またノープランか?」

俺の相棒――言葉を話す不思議なハーレーが、呆れたように低く唸る。

「まあな。だけど今日は秩父方面に行ってみるか。」

「いいぜ。けど、その前にオイル交換したほうがいいんじゃないか?」

「まだ走れるだろ。」

「走れるけど、走り続けられるかは別の話だ。」

仕方なく、近くのバイクショップで軽くメンテナンスをしてから出発することにした。相棒の言うことは聞いておくに越したことはない。


🏍 山を越え、秩父へ

東京を抜けて、青梅から奥多摩へと向かう。道が細くなり、木々が深くなるにつれ、エンジン音が山の静寂に吸い込まれていくような感覚になる。

「この道、なかなかいいぞ。」

「当然だ。秩父はライダーの聖地みたいなものだからな。」

俺は頷きながら、カーブを抜ける。ワインディングロードを流れるように駆け抜けると、気分が冴えてくる。秩父に入るころには、すっかり旅のモードになっていた。

道の駅「ちちぶ」に立ち寄り、一息つく。駐車場には同じようにツーリングを楽しんでいるライダーたちの姿があった。

「ここで何か食うか?」

「当然だろ。走るだけが旅じゃない。旨いものを食うのも旅の醍醐味だ。」

この辺りはわらじカツ丼が有名だ。二枚の大きなカツが乗った迫力満点の丼飯は、ライダーにはぴったりのスタミナ食。

「うまいな…。」

「だから言ったろ?」

しっかりと腹を満たし、また走り出す。

「(それにしても俺の服やバイクが時々SHOEI製になるのはなんでなんだろう?人生いろいろだな)」


🏍 長瀞で奇妙な出会い

秩父を抜け、さらに長瀞(ながとろ)へと向かう。ここには荒川が作り出した岩畳という美しい景観がある。

「おい、川遊びでもするつもりか?」

「まさか。でも、この景色は見ておきたかったんだ。」

バイクを停め、川沿いの遊歩道を歩く。ごつごつとした岩の上に立ち、川を見つめると、不思議と心が落ち着く。

そのとき、不意に誰かが話しかけてきた。

「君のバイク、しゃべるのか?」

驚いて振り向くと、そこには年配の男性が立っていた。白髪混じりの髪をなびかせ、ニヤリと笑っている。

「……聞こえたんですか?」

「はっはっは。俺も昔、そんなバイクに乗ってたんだよ。」

「え?」

「バイクはただの鉄の塊じゃない。相棒になるってことは、そういうことさ。」

意味深な言葉を残し、男はどこかへ歩いていった。

「おい、なんだあのオヤジ?」

「さあな…。でも、妙に説得力があったな。」

まるで俺たちのことを知っているかのような口ぶりだった。

「まあ、深く考えるな。旅先では奇妙なことが起こるもんだ。」

「それもそうか。」

ふたたびバイクに跨り、エンジンをかける。

「さて、次はどこへ行こうか?」

「そうだな……とりあえず、温泉でも入るか?」

「賛成。」

そうして、俺たちの秩父の旅は、まだ終わらない。

著者プロフィール

ようこそ、俺と相棒の奇妙な旅へ
エンジンをかければ、旅が始まる。
でも、俺の相棒はただのハーレーじゃない。
しゃべる。しかも、めちゃくちゃよくしゃべる。

「今日はどこへ行く?」
「その前に、俺のオイル交換はどうなった?」
「お前、また無計画に走ろうとしてるだろ?」

…うるさいけど、憎めない。
こいつと旅をしていると、ただの道も、ただの景色も、いつもとは違って見える。
自由気ままな俺と、口うるさいハーレーの奇妙な旅。
絶景、古き良き町並み、気まぐれな寄り道、そして時々起こるちょっと不思議な出来事。

📍 目的地はなし。行きたい場所に行くだけ。
🏍 二人(?)で風を切る。
🎭 笑えて、考えさせられる、そんな旅の記録。

「さあ、今日はどこへ行く?」
「お前がちゃんと計画を立ててるならな。」

さて、どうなることやら。

hiroyuki-developperをフォローする
スポンサーリンク
第一章 はじまりはいつもエンジンをかけるところから
hiroyuki-developperをフォローする
タイトルとURLをコピーしました