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宮ヶ瀬ダムツーリング 〜湖とダムと俺たちの道〜

第一章 はじまりはいつもエンジンをかけるところから

相模湖の湖畔で缶コーヒーを飲みながら、相棒と軽く休憩を取った。
エンジンの熱が少し冷め、穏やかな風が頬を撫でる。

「さて、そろそろ行くか?」
「おう。で、次はどこ行くんだ?」
「このまま宮ヶ瀬ダムまで行こう。」
「おいおい、また湖かよ?」
「湖じゃなくて、今度はダムだ。」
「…まぁ、悪くねぇか。」

相棒は少しだけエンジンを吹かして、行く準備を整える。
俺もジャケットのジッパーを締め直し、再び走り出す。


相模湖を抜け、宮ヶ瀬ダムへ

相模湖を出発し、まずは国道412号線へ。
道は適度にワインディングしながら、山々の間を縫うように続いていく。

「おい、この道、なかなか良いじゃねぇか。」
「アップダウンが適度にあって、リズムがいいだろ?」
「悪くねぇ。むしろ、もっと走りたいくらいだ。」

山道を抜けると、徐々に宮ヶ瀬湖周辺の景色が広がってくる。
ここからは静かな湖畔を横目に、のんびりと流す時間だ。

「昨日の海、今朝の湖、そして今度はダム…」
「ちゃんとバラエティあるだろ?」
「ま、確かに。これで温泉でも入れたら最高だな。」
「それはまた次の機会だな。」

相棒と軽口を叩きながら、宮ヶ瀬湖畔の道をゆっくりと進む。
そしてついに、巨大なコンクリートの壁が見えてきた。


宮ヶ瀬ダムの迫力

「おい、でけぇな…。」
「だろ?こいつは高さ156m、横幅375mの巨大ダムだ。」
「俺が走る道よりも圧倒的な存在感だな。」
「まあ、こいつは水をせき止めるのが仕事だからな。」

ダムの下まで降りると、その威圧感はさらに増す。
バイクを降りて見上げると、壁の向こうに貯められた水の力がひしひしと伝わってくる。

「こいつがなきゃ、相模川も暴れちまうわけか。」
「そういうことだな。ここがなかったら、下流の街はたびたび水害に悩まされてただろうな。」
「まぁ…俺たちも、ダムみたいにどっしり構えて走るべきか?」
「お前はちょっとせっかちだからな。もう少し落ち着いてもいいかもな。」
「ちっ、余計なお世話だ。」

ダムの放水が見られる日なら、さらに迫力のある光景が楽しめるが、今日は水面は穏やかだった。
静かに溜まった水と、山々の緑がダムの無機質なコンクリートと対照的な景色を作っている。


ふれあい広場でひと休み

ダムの近くにある「宮ヶ瀬ダムふれあい広場」でバイクを停め、再び休憩。
ここは芝生が広がり、のんびりするには最高の場所だ。

「おい、今日は俺、だいぶ走ったよな?」
「確かに。昨日の熱海と今日の相模湖&宮ヶ瀬…けっこうな距離だな。」
「ちょっとオイルでも飲ませろよ。」
「はいはい、オイル交換は帰ったらな。」

相棒はエンジンを切ると、まるで一息つくように静かになった。
俺もヘルメットを脱ぎ、心地よい風を感じながらベンチに座る。

ふと見上げると、空はどこまでも高く、雲がゆっくりと流れていた。
昨日の海も良かったが、やはり山の空気は格別だ。

「なあ、次はどこに行く?」
「…そうだな。そろそろ峠道も走りたいし、箱根あたりどうだ?」
「いいねぇ、ワインディングを攻めるのか?」
「まぁ、俺たちなりに楽しむってことで。」
「なら、帰ったらしっかり整備しておけよ?」
「分かってるよ。」


エンジンをかけ、次の旅へ

夕日が傾きかけた頃、再び相棒に跨る。
今日もいい道を走った。
相模湖、宮ヶ瀬、そして次の目的地へ――俺たちの旅はまだまだ終わらない。

「じゃあ、行くぞ。」
「おう。風と一緒に駆け抜けるぜ!」

エンジンが唸り、俺たちは再び走り出す。
山、湖、ダム、そしてその先へ――
風が吹く限り、俺たちはどこまでも走り続ける。

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