「今日は熱海ビーチラインを走るぞ。」
エンジンをかけると、相棒がすぐに反応する。
「おいおい、また海沿いか?俺を潮風まみれにする気か?」
「贅沢言うな。絶景ロードだぞ。」
「ま、どうせ走るならカッコよくキメようぜ。」
そう言うと、相棒は軽くエンジンを吹かした。
鼓動が心地よく響く。海沿いの道を走るには、最高のコンディションだ。
東京を抜け、熱海へ向かう

朝早く出発し、東名高速を南下。
海が見えてくると、テンションが上がる。
「おい、あれが相模湾か?デカいな。」
「そうだ。あの先に、今日のハイライトが待ってる。」
小田原厚木道路を経由し、いよいよ熱海ビーチラインの入口へ。
目の前には、海と並走するような美しい道が続いていた。
海とともに走る至高の時間

熱海ビーチラインに入ると、すぐに感じるのは海の匂いと潮風。
左手にはどこまでも広がる相模湾、右手には緑の山々。
「おい、すげぇじゃねぇか。この道。」
「だろ?海と並んで走れる最高の道だ。」
「まるで俺のために作られたみたいだな。」
相棒はご機嫌だ。俺も同じ気分だ。
風が心地よく体を包み、波の音がエンジンの鼓動と混ざり合う。
「おい、ちょっとアクセル開けてもいいか?」
「まぁ、気持ちよく流す程度にな。」
「お前、たまには本気で走らせろよ。」
熱海ビーチラインは適度なカーブと直線が交互に現れる。
流れるようにコーナーを抜け、視界いっぱいに海を感じながら駆け抜ける。
熱海の街とひと休み

ビーチラインを抜けると、熱海の街並みが広がる。
レトロな温泉街の雰囲気と、海沿いのリゾート感が絶妙に混ざり合っている。
「さて、ちょっと休憩するか。」
「おい、温泉に入るつもりか?俺は入れねぇぞ。」
「さすがにバイクと一緒には入れないな。」
熱海サンビーチの近くにバイクを停め、海を眺める。
波の音を聞きながら、缶コーヒーを一口。
「なぁ、やっぱり海沿いの道っていいな。」
「俺もそう思ってたとこだ。」
「お前、最初は潮風が嫌だって言ってたくせに。」
「…まぁ、走ってみたらアリだな。」
相棒は素直じゃない。でも、それがこいつらしい。
旅は続く、次の道へ

夕陽が海を赤く染めるころ、再びエンジンをかける。
「じゃあ、そろそろ帰るか?」
「おいおい、せっかくここまで来たんだ。もうちょっと走らせろよ。」
「…まぁ、そう言うと思った。」
このまま伊豆スカイラインへ向かうのもアリだ。
もっと海沿いを走ってみるのもいい。
「目的地なんて、気分で決めればいいんだろ?」
「そういうことだ。」
相棒のハーレーと俺の旅は、まだまだ終わらない。
海沿いの道、山道、どこでもいい。
風が吹く限り、俺たちは走り続ける。