
「旅とは人生の比喩である。目的地に到達することが重要なのではなく、旅の過程が人生を豊かにするのだ。」— ジョン・スタインベック
朝日が昇る頃、相棒のスポーツグライドと共にエンジンをかけた。
今日は 渡良瀬遊水地 へツーリング。関東平野に広がる巨大な湿地は、ラムサール条約にも登録された貴重な自然環境で、広大な景色を楽しめるスポットだ。
SHOEIの黒と黄色のフルフェイスヘルメット を被り、ミラーシールド越しに見る朝の空はどこまでも青い。
「今日も最高のツーリング日和だな!」
エンジンを轟かせながら、愛車と共に走り出す。
広がる湿地! 渡良瀬遊水地を駆け抜ける

渡良瀬遊水地は、栃木・群馬・埼玉・茨城の4県にまたがる広大な湿地帯。東京ドーム約700個分の広さを誇る関東随一の大自然だ。
まず向かったのは ウォッチングタワー。ここからは遊水地全体を見渡すことができ、天気が良ければ富士山や筑波山まで望める。
バイクを停め、双眼鏡を片手に鳥たちを観察する。
「おい、あのデカい鳥、もしやコウノトリか?」
ハーレーが突然話しかける。
「お前、バイクのくせに鳥に詳しいのか?」
「男はな、知らないことでも堂々と言うもんだぜ!」
「また適当なこと言ってんな……」
湿地に広がるヨシ原と静かな水面。その静けさの中で、ふと深呼吸をする。ツーリングの醍醐味は、こういう瞬間にもあるのかもしれない。
一歩で三県をまたげる!? 三県境へ

次に向かったのは、渡良瀬遊水地の近くにある 三県境。
ここは 栃木・群馬・埼玉の三県が交わる場所 で、たった一歩で三県をまたげるスポット だ。
「すげぇ! 俺、今は栃木にいるけど……よし、一歩で群馬! もう一歩で埼玉! なんか妙に楽しいな!」
「お前はバイクだからその場から動けねぇだろ?」
「……気持ち的には三県を駆け巡ってるぜ!」
どこまでも陽気なハーレーのセリフに、思わず吹き出す。こういう何気ない会話が旅を面白くする。
名物・なまず料理に挑戦!

ツーリングで腹が減ったら、地元グルメに舌鼓を打つのが定番だ。
今回立ち寄ったのは、明治30年創業の老舗 「うおとし」。ここは なまず料理が名物 で、天ぷらや蒲焼きが絶品と評判だ。
「なまずって、うまいのか……?」
半信半疑で天ぷらを注文し、一口。
「……うおっ! サクサクで、中はふわふわ! クセがなくて、普通にうまいじゃねえか!」
「俺が言っただろ? ツーリング先の飯にハズレはないんだよ!」
ハーレーの言葉通り、旅先で食べる料理は格別だ。腹を満たし、再びエンジンをかける。
最後はコウノトリ交流館で自然を学ぶ

ツーリングの締めくくりに訪れたのは、渡良瀬遊水地コウノトリ交流館。
ここでは コウノトリの生態や、遊水地の自然環境について学べる施設 で、実際にコウノトリを観察できる展望デッキもある。
「コウノトリって幸運を運ぶ鳥らしいぜ。俺たちにもいいことあるかな?」
「お前、バイクのくせにロマンチストだな」
「ロマンとツーリングはセットだろ?」
確かにその通りだ。バイク旅は、ただ目的地に向かうだけじゃない。
風を感じ、景色を楽しみ、時には寄り道しながら新しい発見をすることこそが旅の醍醐味なのだ。
「また次の冒険へ」—渡良瀬遊水地ツーリングを終えて

夕暮れが空を赤く染める頃、ハーレーのエンジンをかける。
渡良瀬遊水地の壮大な景色に別れを告げ、新たな目的地へと向かう準備をする。
「今日も最高の旅だったな!」
「おうよ! 走り続ける限り、俺たちの冒険は終わらねえ!」
人生もバイク旅も、走り続けることが大事だ。
また次の冒険へ。エンジンを吹かし、俺たちは新たな道へと走り出した。