
「伝説とは、ただの作り話ではない。それは、何かを信じた者たちが生み出した真実である。」
— 不詳
「……ほぉ、”伝説巡り”か。」
エンジンをかけた瞬間、相棒のハーレーが低く唸る。
「俺たちの旅は、日本中の道を走るだけじゃない。
今日は”伝説を巡る旅”の序章だ。」
「で?最初の伝説はどこだ?」
「埼玉県・三峯(みつみね)神社だ。」
「おいおい、また神社かよ?」
「まぁな。ここは関東最強のパワースポットとも言われてる場所だ。
神の宿る山に、俺たちの旅の始まりを告げに行く。」
「フッ…まぁ、悪くねぇな。」
俺たちはエンジンを吹かし、霊験あらたかな地へと向かう。
山を越え、神の領域へ

三峯神社へ向かう道は、秩父の山を越える険しいルートだ。
ワインディングが続き、標高が上がるごとに空気が変わっていく。
「おい、なんか空気が違うな。」
「だろ?ここは”神の気”が満ちている場所だって言われてる。」
「たしかに…妙に澄んでるというか、肌にまとわりつく感じがあるな。」
道を進むにつれ、視界が開ける。
そして、目の前には霧に包まれた鳥居が現れた。
「……こりゃまた、すげぇな。」
バイクを停め、ゆっくりと境内へと歩を進める。
三峯神社、神気を浴びる

境内に足を踏み入れた瞬間――
空気が一変する。
まるで別世界に迷い込んだような静けさ。
古くからこの地を守る神々の視線を感じるような、圧倒的な気配。
「おい…なんだ、この感じは。」
「これが”神の気”ってやつなのかもな。」
鳥居をくぐり、狛犬ならぬ狼の像が俺たちを迎える。
三峯神社は、オオカミを神の使いとする神社だ。
「フッ、なんか狼の目が鋭いな。」
「ここは”本物の覚悟”を持った者しか、力を授からないらしいぞ?」
「おいおい…なら、俺たちは歓迎されてるのか?」
「それは…参拝して確かめてみるしかないな。」
本殿へと進み、手を合わせる。
「この旅が良きものになりますように。」
御朱印と、神の力を刻む

参拝を終え、社務所へ向かう。
三峯神社の御朱印は、その力強い筆遣いと神聖な印で知られている。
「おい、ここでも御朱印をもらうのか?」
「当たり前だ。これは、神の力を分けてもらった証だ。」
御朱印帳を開き、巫女へと渡す。
静かな手の動きで、筆が紙の上を走る音が心地よく響く。
「こちらが三峯神社の御朱印になります。」
「……ありがとう。」
朱色の印と力強い墨の文字。
それを見ていると、まるで神の力が刻み込まれたような感覚に陥る。
「おい…なんか、体が軽くねぇか?」
「俺もそう感じる。」
「まるで、”神の気”を分けてもらったみてぇだな。」
神気を浴びた俺たちは、まるで生まれ変わったような気分だった。
「おい、伝説巡りの旅…これは本物かもしれねぇな。」
「…ああ。どうやら、”何か”が始まったらしい。」
次の伝説へ、旅の始まり

境内を後にし、再びバイクに跨る。
エンジンをかけると、相棒がぼそっと呟いた。
「で?次はどんな伝説を追いかけるんだ?」
「そうだな…次は”龍”でも探しに行くか?」
「ほぉ…いいじゃねぇか。神気を浴びたばかりだし、龍の力も感じてみるか。」
俺たちはアクセルをひねる。
この旅はただのツーリングじゃない。
伝説を巡り、神々の力を感じる旅。
風が吹く限り、俺たちの冒険は続く――。