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偕楽園ツーリング 〜不思議な少年と龍の真実〜

第三章 バイク~そして伝説へ~

「すべての出会いには意味がある。それを知る時、人は真の旅人となる。」

「すべての出会いには意味がある。
それを知る時、人は真の旅人となる。」


梅の香る道、偕楽園へ

「おい、今日はどこへ向かう?」

エンジンをかけた瞬間、相棒のハーレーが静かに唸る。

「**茨城県・偕楽園(かいらくえん)**だ。」

「フッ…ついに来たか。”金太郎”の言った場所だな。」

「そうだ。仙石原の勝負のあと、ここへ来るように導かれた。何かが待っている気がする。」

相棒は軽くエンジンを吹かした。

「……不思議な旅だったな。」

「まぁな。でも、まだ終わりじゃねぇ。」

俺たちはアクセルをひねり、偕楽園へと向かった。


梅の庭園、そして再会

偕楽園は、日本三名園のひとつ。
庭園全体に梅の木が植えられ、春には無数の花が咲き誇る。

「おい…ここはすげぇな。」

「だろ?この季節の偕楽園は、まるで梅の海みたいだ。」

バイクを降り、梅の並木道を歩く。
甘く爽やかな香りが風に乗って漂い、どこか懐かしい気持ちにさせる。

そして――

「やっぱり、来ると思ってたよ。」

不意に、聞き覚えのある声がした。

俺は振り向いた。

そこに立っていたのは、あの不思議な少年だった。

「……やっぱり、お前か。」

「ふふっ。お兄さん、ここまでよく来たね。」

少年は微笑み、一本の梅の枝を手に持っていた。

「これは、お兄さんへの贈り物。」

俺は静かにその枝を受け取る。

「……お前、一体何者なんだ?」

少年は少しだけ首を傾げた。

「もう分かってるでしょ?お兄さんが出会った”伝説”や”奇妙な出来事”――それは全部、僕が起こしたこと。」

「……どういうことだ?」

少年は、梅の木を見上げながらゆっくり話し始めた。


すべての始まり、しゃべるハーレーの謎

「お兄さん、いつから”バイクの声”が聞こえるようになった?」

俺は息をのんだ。

「……それは……」

「きっと気づいてるよね。お兄さんの相棒――”しゃべるハーレー”は、ただの機械じゃない。」

相棒のエンジンが、低く唸る。

「おい……お前、何を知ってる?」

少年は振り向き、微笑んだ。

「それはね……”神の力”を授かったからさ。」

「……!」

「お兄さんが今までの旅で体験したこと――平家の亡霊、名古屋城のシャチホコ、金太郎との勝負――
すべては”お兄さんに試練を与えるため”だったんだ。」

「試練……?」

「そう。旅を通して、お兄さんは”魂の強さ”を試されていた。
そして今、”神の力”を受け取る資格を得たんだよ。」

俺は、梅の枝を握りしめる。

「……つまり、俺が”選ばれた”ってことか?」

「うん。そして、お兄さんのハーレーもね。」

少年は、相棒の方を見つめた。

「……おい、どういうことだ?」

「お前は”ただのバイク”じゃない。
お兄さんの相棒として、”神の言葉”を伝えるために選ばれたんだ。」

相棒は、低くエンジンを鳴らした。

「……じゃあ、お前は何者なんだ?」

少年は、ゆっくりと手を広げた。

「僕は……”龍”だよ。」


龍、天へ帰る

少年の身体が、光を放ち始める。

「お兄さんの旅は、これからも続く。でも、もう僕が導くことはない。」

光が強くなり、少年の姿が徐々に変わっていく。

そして――

巨大なが、目の前に現れた。

「おいおい……マジかよ……!」

龍は、金色に輝きながら空へと舞い上がる。

「お兄さんが”本当に進むべき道”は、お兄さん自身が決めるんだよ。」

龍の声が、静かに響く。

「……風が吹く限り、俺たちの旅は終わらない。」

俺は静かにヘルメットを被り、バイクに跨った。

「おい、これからどうする?」

相棒のエンジンが、力強く応える。

「フッ…とりあえず、走るか。」

俺たちは、再び旅へと出る。

空に昇る龍を背に、新たな道へ。

旅は、終わらない。

そして、風が吹く限り――

俺たちは、走り続ける。

第三章 完

著者プロフィール

ようこそ、俺と相棒の奇妙な旅へ
エンジンをかければ、旅が始まる。
でも、俺の相棒はただのハーレーじゃない。
しゃべる。しかも、めちゃくちゃよくしゃべる。

「今日はどこへ行く?」
「その前に、俺のオイル交換はどうなった?」
「お前、また無計画に走ろうとしてるだろ?」

…うるさいけど、憎めない。
こいつと旅をしていると、ただの道も、ただの景色も、いつもとは違って見える。
自由気ままな俺と、口うるさいハーレーの奇妙な旅。
絶景、古き良き町並み、気まぐれな寄り道、そして時々起こるちょっと不思議な出来事。

📍 目的地はなし。行きたい場所に行くだけ。
🏍 二人(?)で風を切る。
🎭 笑えて、考えさせられる、そんな旅の記録。

「さあ、今日はどこへ行く?」
「お前がちゃんと計画を立ててるならな。」

さて、どうなることやら。

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第三章 バイク~そして伝説へ~
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