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宝登山ツーリング 〜神の宝を目にし、導かれる再会〜

第三章 バイク~そして伝説へ~

「本当の宝とは、目に見えるものではなく、心で感じるものである。」
— 不詳


「おい、今日はどこへ向かう?」

エンジンをかけると、相棒のハーレーが低く唸った。

「**埼玉県・宝登山(ほどさん)**だ。」

「”宝”ってつくくらいだから、何かすげぇもんがあるのか?」

「まぁな。ここには宝登山神社がある。火を鎮める神として信仰されてきた場所だ。」

「火を鎮める神…?面白そうじゃねぇか。」

「それだけじゃない。山の頂にある”宝物”を目にすると、神の気を分けてもらえるって話もある。」

相棒は軽くエンジンを吹かした。

「フッ…まぁ、お前の”神の気”巡りは、いつも何か起こるからな。」

俺たちはアクセルをひねり、宝登山へ向けて走り出した。


長瀞の道、山へ続く道

都内を抜け、関越道を北上。
花園ICで降り、長瀞(ながとろ)の街を抜けて山へと向かう。

「おい、ここは、あのしゃべらなくなったバイクにのっているオヤジがいた観光地じゃねぇか?」

「そうだな。長瀞は川下りが有名だし、賑やかな場所もある。」

「でも、俺たちが向かうのは、もっと静かな場所なんだろ?」

「そういうこと。」

長瀞の街を過ぎると、道は次第に細くなり、緑が濃くなる。
木々に囲まれた道を進むと、ふもとに宝登山神社が現れた。


宝登山神社、神の宝と炎を鎮める力

バイクを停め、境内へと歩を進める。
鳥居をくぐると、空気が一変した。

「……また来たな、この感じ。」

「神の気ってやつか?」

「そうだな。」

宝登山神社は、**火を鎮める神・神日本磐余彦命(かむやまといわれひこのみこと)**を祀る場所。
かつて山火事に遭った際、神の力で炎が鎮められたという伝説が残る。

「なるほどな…つまり、”火を制する力”を持った神ってことか。」

「そういうことだ。」

本殿に向かい、静かに手を合わせる。

「この旅が良きものになりますように。」

そして、いよいよ**”神の宝”がある場所**へ向かう。


山の頂、神の宝と神気の力

「ここからはロープウェイか…。」

「バイクじゃ登れねぇのか?」

「さすがにここは無理だな。」

ロープウェイに乗り、山頂へ。
眼下には長瀞の街と荒川が広がり、次第に高度が上がっていく。

「おい、景色がやべぇな…!」

「これが山の力だよ。」

そして、山頂に着くと、俺はある場所へ向かう。

**”宝の倉”**と呼ばれる場所。

そこには、宝登山の名にふさわしい黄金に輝く宝物が納められていた。

「おいおい…これが”神の宝”か?」

「そうだ。」

静かに手を合わせると、ふと身体が軽くなるような感覚に包まれた。
神の力が、俺の中に流れ込んでくるような――

「……なんだ、これは?」

「フッ…また”神の気”を分けてもらったみてぇだな。」

俺はしばらく、その場の空気を感じていた。


再会、ほったらかし温泉の少年

山を降り、境内に戻る。
そして、バイクへ戻ろうとしたとき――

「やっぱり、来ると思ってた。」

俺は声の主に驚き、振り向いた。

……ほったらかし温泉で出会った、あの少年。

「お前……。」

「ふふっ。お兄さん、また”神さまの匂い”が強くなったね。」

俺は言葉を失った。

「おい、どういうことだ?なんでここにいる?」

「んー、なんでだろうね?」

少年はニコニコしながら俺を見つめている。

「”神の宝”、見たでしょ?」

「……お前、知ってたのか?」

「うん。だって、お兄さんの旅、そういう道だもん。」

「……お前、何者だ?」

少年は少しだけ考えた後、笑って言った。

「さぁ?それは、お兄さんがこれから見つけるんじゃない?」

俺はその言葉の意味を考えようとしたが、少年は手を振りながら去っていった。

「おい……また会うのか?」

少年は振り返らずに答えた。

「……どうかな。でも、”風が吹く限り”。」

俺はしばらく、その背中を見送っていた。


帰路、そして次の目的地へ

バイクへ戻り、エンジンをかける。

「おい……あのガキ、本当にただの子供か?」

「……分からない。ただ、確かなのは”俺たちの旅はまだ終わらない”ってことだ。」

「フッ…まぁ、そうだろうな。」

俺たちはアクセルをひねり、宝登山を後にする。

“神の宝”を見たことで、俺の旅はまた一歩先へ進んだ。

そして、あの少年の言葉――

「……次は、どんな出会いがあるんだろうな。」

風が吹く限り、俺たちの旅は続く。

著者プロフィール

ようこそ、俺と相棒の奇妙な旅へ
エンジンをかければ、旅が始まる。
でも、俺の相棒はただのハーレーじゃない。
しゃべる。しかも、めちゃくちゃよくしゃべる。

「今日はどこへ行く?」
「その前に、俺のオイル交換はどうなった?」
「お前、また無計画に走ろうとしてるだろ?」

…うるさいけど、憎めない。
こいつと旅をしていると、ただの道も、ただの景色も、いつもとは違って見える。
自由気ままな俺と、口うるさいハーレーの奇妙な旅。
絶景、古き良き町並み、気まぐれな寄り道、そして時々起こるちょっと不思議な出来事。

📍 目的地はなし。行きたい場所に行くだけ。
🏍 二人(?)で風を切る。
🎭 笑えて、考えさせられる、そんな旅の記録。

「さあ、今日はどこへ行く?」
「お前がちゃんと計画を立ててるならな。」

さて、どうなることやら。

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第三章 バイク~そして伝説へ~
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